こんにちは。詰めの甘いかずけです。
僕は70社以上不合格になった末に、社内SEになれました。ようやく一人で客先に常駐していた状態から、自分の会社にずっといることになったことで今まで見えなかったことが見えるようになりました。
良いことも悪いこともあるのでそれぞれ記事にしていこうと思います。
社内SEと常駐SEの違い
まずは良かったことから。
ユーザー企業だとスーパーマン扱い
常駐SEをしているときは、比較的大きな企業の「システムグループ」に所属していたので、ユーザー企業とはいえシステムに詳しい方が多く、普通にシステム関係の用語で会話できました。
個人的に横文字が苦手なので、そういった点では打ち合わせで理解できない言葉もありましたが、例えば「デフォルト」や、「アイコン」はもちろん、「MACアドレス」についても暗黙の了解という感じでした。
ところが今の中小ユーザー企業の場合は、そのような言葉は浸透しておらず、正直なところ想像以上にシステムに疎い会社でした。
なので、僕程度のスキルであっても、あたかも「すごいスーパーマンが来たぞ」となり、重宝されることがあります。
一人情シスだとベンダー選定から、作業工程も超上流から携われる
基本的にシステム関係はすべて任されるためシステムベンダー選定から価格の見極めなども任されます。正直なところ一人で数百万のシステム導入などしたことなかったので、見積もりを見てもピンと来ないのですが、仲良くなったベンダーさんの言うことなら、ということで稟議申請を挙げていました。
常駐SEの時は社内稟議申請なんてあげたこともありませんでしたが、社内SEになってからは、数百万、一千万ぐらいの社内稟議をバンバンあげることになり、最初はびびってましたが、だんだん感覚もおかしくなってきます。
勿論、最初から打ち合わせもがっつり入るので常駐SEの時はなかなか関われなかった上流工程を経験できます。とはいえ、基本的にベンダーさん任せですが。
契約終了がない
個人的にこれが一番いいことだと思っています。やっぱり契約更新というのがないのは良いです。大きなミスなどしない限り、ずっと同じ場所の同じ席で同じような仕事をしていくことになります。単価交渉などもなく、毎年若干ですが昇給もあります。
常駐SEの時は5年ぐらい同じ単価でやっと基本給あがったと思えば、社会保険料がそれ以上にあがり、結果働いていても給料がマイナスになっていくという経験を身をもって経験しているので、その点今の仕事は天国みたいに感じています。世間の会社ではこれが一般的なのでしょうか…。IT業界で客先常駐していると、世間では当たり前の定期昇給や契約単価、PJ終了、同僚や上司と机と並べて仕事をするというのがテレビの中の世界のように感じられ、いざ自分が社内SEになると先輩や上司が近くにいることが本当に不自然に感じられました。でも次第に先輩の大切さや心強さが身に染みて有難く感じられるようになりました(上司に外れると上司に対するストレスも相当なものですが)
最新技術を覚えなくても自社のことがわかればいい
僕はプログラミングもできず、最新技術どころか古い技術も何もないのですが、社内SEになると最新を知らなくても自社のシステムさえ把握していれば日々の業務を回すことはできます。
新しい開発言語を覚えないと次の職場にアサインされないといった危機感を感じることがないので、こういった点が社内SEはのんびりできると表現されることの要因ではないかと思います。この点については僕も納得です。
毎年似たようなことを繰り返すのでルーチン化する
基本的に異動がないので、新システムの導入やリプレースなどがなければ、毎年同じようなことを繰り返すことになります。しんどい時もあれば、終わりも予想できますし、自分の生活リズムなどとも調整しやすくなります。
社内SEは良いことばかりではありません。悪かったこともあります。
ユーザー企業だとスーパーマン扱い
スーパーマン扱いされるのも最初だけであり、すでに会社で稼働していたオフコンについてはさっぱり理解もできなかった僕は、質問されても回答できずに、ただただ無力感だけが募っていきました。そして徐々にあいつに聞いても知らない、と判断されて社内で使えないやつのレッテルを貼られることになります。
そんなの分野外だよ!って言いたくても誰も信用してくれません。下手に言い続けると言い訳の多いやつ、とより立場を悪化させてしまうことになりかねません。
超上流からはもちろん、下流すべて一人でやる
上流から関われますが、一人情シスの場合はベンダーさんがやってくれる範囲の指示や決定も都度行わなくてはいけませんし、社内展開などの下流業務もすべて行う必要があります。
また一人情シスだと、すべてを任される一方、当然ながら責任も押し付けられるので、役職も何もついていない一般社員であってもいろんな責任を背負わされることになります。相談する相手もいない中、責任だけが重くのしかかるのは、きつかったです。
異動はあるかも
社内SEの場合、多くが総合職としての採用になるはずです。だとすれば異動がないとは限りません。あまりに大きなミスや会社に損害を与えた場合は異動やグループ会社へ出向などもあると思います。
意欲がある人は最新技術を覚える機会を失う
これはよく言われていることですが、社内SEをやっていると最新技術に触れる機会はほとんどありません。自分の業務を効率化させるなど小さなところで独学で学んだ技術を活用することはあるかもしれませんが、特に一人の場合は、下手に独自システムを社内に展開させると、それのメンテナンスもずっと担っていく必要があるので、返って自分を苦しめることになります。
一人情シスの場合、仕事を理解してくれる人がいない
一人情シスになって、これが一番きつかったです。同情はされても誰も仕事を理解してくれませんし、相談もできません。
ユーザーさんは簡単に言うんですが、実現するのには様々な障害があって…など話をしようものなら、やる気がないや、スキルがない人とレッテルを貼られます。
せめて同僚がいればお互い相談に乗ったりと精神的にも救われますが、本当に一人でなおかつ上司もシステム畑ではないとなると、扱いはもうただの便利屋で雑務を押し付けられる事務員です。
社内政治に巻き込まれる
基本的にシステム関係に携わっている方はあまり人づきあいが得意ではない人も多いのではないでしょうか。僕自身はそこまで人と話すことは嫌いではありませんが、例えば稟議を挙げるときや、何か重要な決定を行うような打ち合わせの前は、事前に根回しをする必要があるなど社内政治が本当に煩わしいです。スピード感もなく、ただただ疲れます。
やればやるほど仕事が増える
一人しかいないので、誰かに仕事を振ることもできません。言われたら言われっぱなしで基本的に抱えるしかできません。
仮に上司に「もうこれ以上は無理です」といっても「じゃ、ベンダーに投げろ」と言われるケースもありますが、ベンダーに振るといっても、最初から細かく状況を理解して、それを説明して見積もりもらって稟議をあげて…などしていたら、それこそ時間と労力が余計にかかってしまいます。
社内SEと常駐SEどっちが良いか
実体験として良いこと、悪いことを自分の体験を元に書き出してみました。
同じ社内SEといっても、会社や個人のスキルなどにもよると思うので一概には言えないかと思いますが、僕自身としては一人情シスから始まり、今では複数名同僚ができたので、今現在は社内SEになってよかったと思ってます(一人情シスの時は地獄で辞めたいと思ってました。一人情シスになっての苦しさは今後記事にしていきます)
一番良かったと思うのは上でも書きましたが、契約更新がないということです。
これだけで毎日安心して通勤できるというのは何より精神的に安定します。
とはいえ、ガツガツ技術を追い求めたい人には本当に向かない職場だと思うので、何を求めるかにもよると思いますが、安定と安心を求めるなら社内SEがおすすめです。
【ご参考】僕が転職活動の際に何度も心が折れそうになっても、気持ちを支えてくれた本です。
「嫌われる勇気(本)」

嫌われる勇気 特装版 自己啓発の源流「アドラー」の教え
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「幸せになる勇気(本)」

幸せになる勇気 特装版 自己啓発の源流「アドラー」の教えII
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